小1の壁とは
「小1の壁」とは、子どもが小学校に入学する際に、特に共働きの家庭で生じる育児や生活の困難を「小1の壁」といいます。
保育園では、朝早くから夕方遅くまで長時間の保育が行われます。一方、小学校では通常の授業時間が中心で、放課後は学童保育などの支援が必要になります。
保育園と小学校では保育時間、保護者の関わり、生活リズム、教育内容など、さまざまな面で大きな違いがあり、 子どもにとっては、保育園から小学校への移行時に大きな変化が生じるため、「小1の壁」と呼ばれる適応の困難さが生じることがあります。
保育園と小学校の1日の流れ
小学校 | 保育園 | |||||
7:00 | 登園 | |||||
登校 | 8:00 | |||||
子供どもが後から出発する場合も | ||||||
給食 | 12:00 | 給食 | ||||
長期休みはお弁当が必要 | ||||||
下校・学童へ | ||||||
15;00 | おやつ | |||||
下校時間は15:00前後 | ||||||
学童閉演・帰宅 | 18:00 | 降園 | ||||
延長保育 | ||||||
19:00 | 閉園 | |||||
小1の壁の原因
- 保育園では延長保育があるのに対し、学童保育の終了時間が早く、子どもが一人で過ごす時間が増える。
- 学校行事やPTA活動への保護者参加が多くなる。
- 長期休暇への対応が必要になる。
小1の壁の影響
- 保護者の負担が大きくなり、働き方の変更を余儀なくされることがある
- 子どもの放課後の時間が年間約1,600時間にも及び、この時期の子どもの発達にとって重要
小1の壁の詳細
- 保育園から小学校への移行時期は、子どもにとって大きな変化の時期です。
- 保育園では延長保育などの支援があるのに対し、小学校では学童保育の終了時間が早く、子どもが一人で過ごす時間が大幅に増えます。
- 学校行事やPTA活動への保護者参加が多くなり、長期休暇への対応も必要になります。
- これらの変化に伴い、保護者の仕事と子育ての両立が困難になり、働き方の変更を余儀なくされることがあります。
- 実際に、4人に1人の保護者が小1の壁を機に働き方を変えているのが現状です。
- 子どもの放課後の時間は年間約1,600時間にも及び、この時期の子どもの発達にとって重要です。
対処法
放課後の預かりサービスの利用
- 公設学童保育
- 学校内外で提供される学童保育は、共働き家庭にとって大きな支えとなります。多くの地域では、放課後から夕方まで子供を預かるサービスが提供されています。学童保育の利用によって、子供が安全な環境で過ごし、親が安心して働くことができます。
- 民間学童保育
- 民間企業やNPOが提供するアフタースクールプログラムも選択肢の一つです。これらのプログラムでは、学習支援やスポーツ、アートなど多様な活動が提供され、子供の興味や才能を伸ばすことができます。
長期休暇の対策
- キャンプや短期プログラムの活用
- 夏休みや冬休みには、地域や民間企業が提供するキャンプや短期プログラムを活用することで、子供の預かり場所を確保しながら、楽しい体験をさせることができます。
- 家族や友人の協力
- 長期休暇中は、祖父母や親戚、友人に協力を依頼することで、親の負担を軽減することができます。また、近隣の共働き家庭同士で協力し合うことも有効です。
学校行事やPTA活動への対応
- 柔軟な勤務時間の調整
- 企業によっては、柔軟な勤務時間やリモートワークの制度を導入しているところもあります。これを活用することで、学校行事やPTA活動に参加しやすくなります。
- パートナーシップの強化
- 夫婦間での協力や、他の家族メンバーとのパートナーシップを強化することも重要です。役割分担やスケジュールの調整を工夫することで、仕事と家庭のバランスを取ることができます。
勉強のサポート
- 家庭学習の習慣化
- 子供と一緒に家庭学習の時間を設けることで、学習のサポートをスムーズに行うことができます。親が子供と一緒に学ぶ姿勢を見せることで、子供も学習に前向きになります。
- 学習サポートの外部利用
- 家庭だけでなく、民間学童保育の多くは学習サポートを提供しているところも多いです。プロフェッショナルな支援を受けることで、親の負担を軽減しつつ、子供の学習を効率的にサポートできます。
成功事例
事例1: 地域の学童保育と民間学童保育の活用
ある家庭では、公設の学童保育を積極的に活用したうえで、宿題のサポートや多様なアクティビティが提供されている民間学童保育をスケジュールに併せて利用しています。これにより、子供は安全な環境で楽しく過ごすことができ、親も安心して働くことができています。
事例2: 家族の協力体制の強化
別の家庭では、祖父母や親戚との協力体制を強化しました。祖父母が週に数回子供を預かることで、親が仕事に集中できる時間を確保しています。また、親戚同士で情報を共有し合い、お互いにサポートし合うことで、緊急時にも迅速に対応できる体制を整えています。
事例3: 柔軟な働き方の導入
ある企業に勤める親は、会社の制度を活用して柔軟な働き方を実現しました。リモートワークやフレックス制度を利用することで、学校行事やPTA活動に積極的に参加しています。このような働き方を通じて、家庭と仕事のバランスを保ちつつ、子供との時間も大切にしています。
結論
「小1の壁」は多くの共働き家庭が直面する現実の問題ですが、様々な対策と工夫によって克服することが可能です。地域のサポートや家族の協力、柔軟な働き方の導入など、多様なアプローチを組み合わせることで、親と子供が安心して生活できる環境を整えることができます。成功事例を参考にしながら、それぞれの家庭に合った方法を見つけ、子供の成長と家庭の幸福を支えるための取り組みを続けていきましょう。