「勉強ができる子」と「勉強ができない子」は何が違うのか?

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同じ能力を持っていても「活かせる子」と「活かせない子」がいる

一口で、「勉強ができる子」という表現は、通常、主に言語能力や数学的思考、科学的思考、記憶力などの学習に関連する認知的なスキルや能力が優れている子どもを指すことが一般的です。
しかし、いくら計算能力が高くても、大事な場面でその力を活かすことができなかったら意味がありません。
そもそも、こう言った言語能力や計算能力が優れていれば、本当に「勉強ができる」と言えるのでしょうか?
たしかに私たちが子どもの頃は、計算能力が高かったり記憶力が良かったりすると「あの子は頭がいい」「優秀だ」と言われていました。
しかし、今では、上記のような学習に関連するスキルいわゆる「認知能力」の他に、自己管理能力や協力とコミュニケーション、毅力と忍耐、創造性など、学習以外のスキルや資質を表すいわゆる「非認知能力」が注目されています。
この「非認知能力」は、学習といった知的活動を支える(継続させる)大きな要素になります。継続して勉強ができるようになるには、「自分をやる気にさせる力」や「忍耐強く物事に取り組む力」「集中力」「感情のコントロール」などの非認知能力を育てることにより、たとえ同じ能力であったとしても、後々に現れる効果は大きく違ってくると言われています。

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「非認知能力」から見る「勉強ができる子」「勉強ができない子」の違い

非認知能力は、学業成功や人間関係の構築など、学習以外の領域においても重要な役割を果たす能力です。以下に、勉強ができる子どもとできない子どもの違いとして考えられる非認知能力に関連する要素を挙げてみましょう。

  1. 自己管理能力:
    • 勉強ができる子どもは、時間を管理し計画的に取り組むことができます。課題や目標を設定し、それに向けて行動する能力があります。一方で、勉強ができない子どもは、時間の使い方や計画のたて方に難しさを感じることがあります。
  2. 毅力と粘り強さ:
    • 勉強ができる子どもは、困難にもめげずに課題に取り組む毅力があります。失敗や挫折に対しても立ち向かい、継続的に努力することができます。勉強ができない子どもは、困難に対して早期に挫折してしまうことがあります。
  3. 自己認識と目標設定:
    • 勉強ができる子どもは、自分の強みや弱みを理解し、適切な目標を設定することができます。自分の学習スタイルや興味に合わせて学習する能力があります。一方で、勉強ができない子どもは、自分の特性を十分に理解できていないことがあり、適切な目標の設定が難しいことがあります。
  4. 協働とコミュニケーション能力:
    • 勉強ができる子どもは、他の子どもや教師と協力し、情報を共有し合うことが得意です。コミュニケーション能力が高く、チームワークを大切にできます。勉強ができない子どもは、協働やコミュニケーションに苦手意識を持つことがあります。
  5. ストレス管理能力:
    • 勉強ができる子どもは、ストレスや圧力に対処する能力があります。試験や課題の期限に追われても冷静に対処し、効果的なストレス管理ができます。一方で、勉強ができない子どもは、ストレスやプレッシャーに弱く、適切な対処方法を見つけることが難しいことがあります。

子どもの将来にとって、認知能力と非認知能力はどちがら大事?

子どもの将来において、認知能力と非認知能力の両方が重要です。これらの能力は相互に補完し合い、総合的な発展を支えます。以下に、それぞれの能力の重要性と具体的な要素について説明します。

  1. 認知能力:
    • 言語能力: 語彙の豊富さやコミュニケーションスキルは、学業や仕事での成功に重要です。
    • 数学的思考: 問題解決能力や論理的思考は、数学的な概念の理解を通じて発展します。
    • 科学的思考: 観察、実験、推論のスキルは科学的なアプローチや問題解決に役立ちます。
    • 記憶力: 情報の取り込みや保持は学習の基盤であり、さまざまな分野で役立ちます。
  2. 非認知能力:
    • 自己管理: 目標の設定、計画の立て方、時間管理などは成功に向けて重要です。
    • 協力とコミュニケーション: チームワークや他者との良好な関係は、職場や社会での成功に寄与します。
    • 毅力と忍耐: 困難に立ち向かい、失敗から学ぶ能力は、長期的な目標の達成に不可欠です。
    • 創造性: 問題の新しい解決策を見つけたり、異なるアプローチを取る能力は、革新的なアイデアやプロジェクトの育成に寄与します。

これらの能力は、学業だけでなく、将来の職場での成功や社会での適応にも影響を与えます。認知能力は基礎的な学問や専門的なスキルの習得に関与し、非認知能力は人間関係や自己成長のためのスキルを提供します。両方の側面をバランスよく発展させることが、子どもたちが幅広い状況で成功するための鍵となります。