中1英語の難化が進行中!小学生のうちに必要な英語力を徹底解説

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2020年度から小学5・6年生の英語が正式に教科化され、これに続いて2021年度からは中学校の新学習指導要領が施行され、教科書の内容も大幅に変更されました。その結果、中学校の英語の定期テストの難易度が急激に上がり、特に中学1年生の1学期中間テストでは、以前の平均点が80〜90点だったのに対して、今では50〜60点にまで低下したという話が広がっています。

今回は、実際の中学1年生の5〜6月に行われた中間テストの例題を元に、現在の中1英語で求められる力や、小学生のうちにどのような準備をしておくべきかについて詳しくお話しします。

中1英語の中間テスト最新傾向:自分自身についての作文問題が頻出

まずは、以下の例題を見てみましょう。実際の2021年度に行われた中学1年生の1学期中間テストを再現したものです。

例題1:

Write about yourself. Include information such as your name, age, where you are from, and things you like to do.

この問題は、中学1年生の1学期に入学してからわずか2ヶ月程度で出題されるもので、授業で習った単語や文法を使って自分自身について表現する能力が問われます。単語や文法の丸暗記では対応できない問題であり、生徒ごとに大きな差が出たことが報告されています。特に、このような作文問題が増えており、英語の「書く力」を早い段階で試す内容になっています。

以下は【例題1】の解答例です:

My name is Ken. I am 12 years old. I am from Tokyo. I like playing soccer and I am good at swimming.

この解答例では、特に重要なのは「like + 動詞のing形(〜するのが好きである)」という表現です。この文法は、親世代が中学2年生のときに習った「動名詞」の概念であり、さらに「be good at 〜(〜が得意である)」という表現は、中学卒業レベルである英検®3級のレベルの熟語です。しかし、これらの表現が、いまの中学1年生の教科書では、最初のレッスンから登場しているのです。

ここで注目すべきなのは、親世代が中1の時に経験した英語学習とは全く異なる内容とレベルに変わっている点です。かつてはアルファベットの書き方や基本的な単語を覚えるところから始まっていましたが、現在の中1英語では、より高度な表現や自分の考えを英語で表現する力が早い段階で求められています。

中1英語の準備:鍛えておくべき3つの力

現代の中学校の英語授業は、「コミュニケーションのための文法(grammar for communication)」を重視しており、文法のルールを単に暗記するのではなく、実際のコミュニケーションの中で使えるようにすることが求められます。特に中1の最初の中間テストでは、「自分のことを伝える力」「相手のことを理解する力」が試されるため、小学生のうちから3つの英語力を鍛えておく必要があります。

1. 単語力:小学校で600語以上学習済みの前提

現在の英語教科書では、小学校5・6年生の時点で約600語以上の単語を習得していることが前提とされています。例えば、全国の小中学校で使用されている教科書『NEW HORIZON』(東京書籍)では、小学校で学習する英単語数は630語とされています。これは、中学1年生の英語の授業が、この単語数を既に知っている前提で進行することを意味します。

実際の中学1年生の中間テストでは、以下のような単語問題が出題されました。全て、小学5・6年生の教科書に登場する単語です。

例題2:

次の単語のつづりを書きなさい:February, Thursday

これらの単語は、小学校の授業では耳にしたことがあるはずですが、実際にそのつづりを正確に書けるかどうかが問われます。つづりを1文字でも間違えると、部分点なしでゼロ点となるため、単語力をしっかりと身につける必要があります。

2. 書く力:単語のつづりを正確に書くスキル

中学校の英語の定期テストでは、単語のつづりを正確に書かせる問題が頻出します。例えば、中学1年生の1学期の中間テストでは、単語のスペルを1文字でも間違えれば即座にゼロ点となる厳しい評価が行われています。

ところが、小学校の英語授業では、アルファベットの読み書きが小5から始まるため、単語のつづりを書く練習はほとんど行われません。小学校6年生の終わりまでに行われるのは、単語の「なぞり書き」や「書き写し」程度であり、単語のつづりを正確に覚えるトレーニングは行われていないのが現実です。

その結果、小学校6年生の多くの子どもたちは、「単語を見たり聞いたりすれば意味は分かるが、正確につづりを書けと言われると難しい」という状況にあります。

3. 作文力:自分自身について表現する力

今の中学校の英語の定期テストでは、以前のような「次の日本語の文を英語に訳しなさい」という和文英訳問題は少なくなってきています。その代わり、自分の考えや感情を英語で自由に表現する力が求められるようになっています。

たとえば、【例題1】のように、動名詞(動詞のing形)を使って「I like swimming.(私は泳ぐのが好きです)」というように、自分の好きなことを英語で表現できるかどうかが問われます。

このような「自分自身について表現する力」を試される問題は、小学校ではほとんど指導されていないため、中学に進学してから初めて直面する子どもが多いです。

小学校での英語学習と中学校での英語学習のギャップ

大学教授や教育の専門家も指摘しているように、現在の小学校と中学校の英語の授業や教科書には、大きなギャップがあります。特に「読み書き」の指導に関しては、小中間で連携が取れておらず、結果として中学1年生の最初の定期テストで苦労する生徒が多いです。

このギャップを埋めるためには、小学校の授業だけでなく、追加の英語学習が必要です。特に、小学5・6年生の高学年のうちに、以下の2つの準備を行うことが効果的です。

中1英語への準備法1: 書く練習を始めよう

小学校の英語授業では、英語を書く練習はほとんど行われていませんが、中学1年生になると「書く力」が試される機会が急増します。そのため、小学生のうちから少しずつ英語を書く練習を始めることが重要です。特に、「ディクテーション」と呼ばれる英語の音声を聞いて書き取る練習が効果的です。

現在の小学校5・6年生用の教科書には、QRコードが印刷されており、スマホやタブレットを使って英語の音声を再生することができます。この機能を使って、単語や文を聞き取りながら書き取る練習をすることで、中学1年生で必要とされる書く力を身につけることができます。

中1英語への準備法2: 自己紹介の作文を練習しよう

中学校の定期テストでは、【例題1】のような「自分自身についての作文」がよく出題されます。特に「I am good at 〜」「I like 〜」といった表現は、定番の表現です。小学生のうちに、これらの表現を使った自己紹介の作文を練習しておくことで、実際のテストでも自信を持って取り組むことができるようになります。

作文の練習は、まずは簡単な文から始め、徐々に表現を増やしていくことが大切です。たとえば、最初は「My name is Ken.」のようなシンプルな文から始めて、次第に「I like soccer.」「I am from Tokyo.」といった文を加えていきましょう。

まとめ

現在の中学1年生の英語の授業や定期テストは、かつての親世代のものとは大きく異なり、早い段階から「書く力」や「表現する力」が求められるようになっています。そのため、小学生のうちから英語の「書く力」と「表現力」を意識して準備することが非常に重要です。

特に、小学校5・6年生の間に、単語のつづりを覚える練習や、自分自身について英語で表現する練習を始めることで、中学に進学してからの英語学習に自信を持つことができるでしょう。

CloverHillの英語教育:BEStudioで中1ギャップを乗り越える準備

東京都府中市の教育複合施設CloverHillでは、ベネッセが運営する英語教室「BEStudio」を通じて、子どもたちの英語力向上に取り組んでいます。通常の英会話レッスンに加えて、特に注目すべきは「読み書き文法コース」です。このコースでは、小学校1年生から英語の基本的な読み書きや文法をしっかりと学ぶことができ、中学校入学後の英語学習に必要な基礎力を徹底的に養います。

「読み書き文法コース」は、単語のつづりや文法ルールを習得するだけでなく、自分自身を英語で表現する力も養成するため、いわゆる中1ギャップに備えた実践的なスキルを早い段階から身につけることが可能です。小学生のうちから英語の基礎を固め、スムーズな中学英語のスタートを切れるようサポートするこのプログラムは、保護者からも高い評価を得ています。

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