忘れ物が多い小学生…6月に見直したい家庭での声かけ術｜府中市の教育複合施設CloverHill

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Contents

1 はじめに：忘れ物が増える6月の特徴
2 なぜ子どもは忘れ物をするのか？脳科学的な理由
3 効果的な声かけの4つの原則
4 学年別・忘れ物対策の具体的な声かけ例
5 家庭でできる忘れ物防止システム
6 忘れ物をしたときの適切な対応
7 発達障害の可能性を考慮した対応
8 長期目線で見た忘れ物克服のプロセス
9 便利なツールとアプリの活用
10 6月に特に注意したい忘れ物ポイント
11 保護者が注意すべきNG行動
12 学校との連携方法
13 子どもの性格タイプ別アプローチ
14 夏休み前の6月にやっておきたい習慣作り
15 よくある質問Q&A
16 まとめ：6月の声かけで1年間の忘れ物が減る
17 府中市の教育複合施設 CloverHill のご紹介
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はじめに：忘れ物が増える6月の特徴

6月は小学生の忘れ物が急増する時期として知られています。新学期の緊張感が薄れ、暑さや梅雨のジメジメした気候が集中力を削ぐこの時期、多くの保護者が子どもの忘れ物に頭を悩ませます。しかし、単に「忘れ物をしないように！」と叱るだけでは根本的な解決にはなりません。

忘れ物の背景には、実行機能（エグゼクティブ・ファンクション）の発達段階や環境要因、心理状態など、さまざまな要素が絡み合っています。本記事では、脳科学や発達心理学の知見に基づき、効果的な声かけと家庭でできるサポート方法を詳しく解説します。

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なぜ子どもは忘れ物をするのか？脳科学的な理由

前頭前野の発達過程

小学生の脳、特に前頭前野はまだ発達途中です。この領域は計画立案、優先順位付け、衝動抑制などの高次認知機能を司っており、完全に成熟するのは20代前半と言われています。つまり、忘れ物が多いのは「だらしないから」ではなく、「脳がまだ成長過程にある」という生物学的な理由があるのです。

6-7歳の子どもが一度に処理できる情報は3-4つが限界で、大人のように7±2つの情報を同時に処理することは困難です。学校生活では常に新しい情報が入ってくるため、優先順位をつけて必要なものを覚えておくことが難しいのです。

ワーキングメモリの限界

ワーキングメモリ（作業記憶）は、短期間に情報を保持しつつ処理する能力です。この容量には個人差があり、発達とともに増加していきます。忘れ物が多い子どもは、このワーキングメモリの容量がまだ小さかったり、効率的に使えていない可能性があります。

例えば、「明日は図工があるから粘土板を持っていく」という情報を保持しながら、「算数の宿題をカバンに入れる」「水筒を洗う」などの他のタスクを処理すると、最初の情報が上書きされてしまうことがあります。

時間的見通しの未熟さ

小学生、特に低学年の子どもは「時間的見通し」が十分に発達していません。「明日の準備」という未来のことを現在の行動に結びつけるのが難しいのです。これは脳の扁桃体と前頭前野の連携が未熟なためで、発達段階による自然な現象です。

効果的な声かけの4つの原則

1. 具体的で行動に結びつく指示

「忘れ物しないようにね」という抽象的な声かけではなく、「明日の時間割を確認して、必要なものを玄関に並べてみよう」という具体的な行動を示すことが効果的です。

悪い例：
「ちゃんと準備しなさい」

良い例：
「国語と算数と音楽の教科書、連絡帳、給食袋をカバンに入れよう。終わったらママにチェックさせてね」

2. 未来をイメージさせる質問

子ども自身に考えさせ、未来の行動をイメージさせる質問をすることで、前頭前野を活性化させます。

「明日の体育で使うものは何かな？」
「給食当番の日だったら、特別に持っていくものある？」
「雨が降ったら、何を追加で持っていく必要があると思う？」

3. 肯定的な表現

否定形ではなく、肯定形で伝えることで、子どもは何をすべきかを明確に理解できます。

悪い例：
「忘れ物をしないで！」

良い例：
「必要なものは全部カバンに入れようね」

4. 段階的な責任移行

学年に応じて、少しずつ自主性を育む声かけを心がけます。

【低学年】
「一緒に準備しよう。最初に時間割を出してみて」

【中学年】
「自分で準備してから、ママに確認させてね」

【高学年】
「今週は忘れ物なしでいけるかな？困ったら相談してね」

学年別・忘れ物対策の具体的な声かけ例

小学1-2年生向け

この時期は、保護者が一緒に準備する習慣をつけることが大切です。

「ランドセルの横に明日のものを全部並べてみよう。教科書、ノート、連絡帳、えんぴつケース…他に何が必要かな？」
「明日は水曜日だね。時間割を見て、何の教科があるか一緒に確認しよう」
「給食袋はフックにかけているかな？忘れると給食当番の友達が困るよ」

小学3-4年生向け

少しずつ自主性を育みながら、確認する習慣をつけさせます。

「自分で準備した後で、チェックリストと照らし合わせてみよう」
「明日の天気予報は雨みたい。何を追加で持っていく必要があると思う？」
「今週は忘れ物がなかったね！どうやって準備しているの？」

小学5-6年生向け

自己管理能力を高める声かけを中心に。

「来週の家庭科の裁縫セット、いつ準備する予定？」
「修学旅行の持ち物リスト、自分で作ってみたらどうかな？」
「スマホのリマインダー機能を使って、忘れ物防止できないか考えてみよう」

家庭でできる忘れ物防止システム

1. 帰宅後のルーティン確立

忘れ物防止には、帰宅後の習慣化が効果的です。

連絡帳と時間割を開いてダイニングテーブルに置く
翌日の準備を済ませる
カバンを所定の位置に置く
保護者が確認（低学年は毎日、中学年は週3回、高学年はランダム）

「学校から帰ったら、まず連絡帳を開いてママに見せてね。それからおやつにしよう」
「カバンを置く場所はここと決めよう。そうすれば朝慌てないよ」

2. 可視化チェックリスト

文字が読めない低学年でも使えるように、イラスト入りのチェックリストを作成します。

【例】
□ 時間割通りに教科書・ノート
□ 連絡帳
□ 筆記用具
□ 給食袋（月・水・金）
□ 体育着（火・木）
□ ハンカチ・ティッシュ

「チェックリストの絵を見ながら、必要なものを集めてみよう」
「全部そろったら、チェックマークを付けていこうね」

3. 玄関前ステーション

翌日の持ち物を前日までに玄関近くに準備するスペースを作ります。

「明日のものは全部このボックスに入れておこう」
「朝はこのボックスの中身をランドセルに入れるだけだから簡単だよ」

4. 週末の一括準備

週末に、翌週の特別な持ち物をまとめて準備します。

「来週は水曜日に絵の具、木曜日に習字道具が必要だね。今週末に準備しておこう」
「月曜日の朝は忙しいから、日曜日の夜に制服とランドセルを確認しておこう」

忘れ物をしたときの適切な対応

1. まずは共感から

忘れ物をした子どもは、自分でも困っていることがほとんどです。まずは気持ちを受け止めます。

「忘れちゃったんだね。困ったね」
「体育着を忘れたら、みんなと一緒に運動できなくて残念だったね」

2. 原因分析を一緒に

感情が落ち着いたら、なぜ忘れたのかを一緒に振り返ります。

「何が原因で忘れちゃったのかな？」
「前の日は覚えていたのに、朝出るときにカバンに入れるのを忘れたのかな？」

3. 解決策を考えさせる

子ども自身に解決策を考えさせることが、次への学びになります。

「次から忘れないようにするには、どうしたらいいと思う？」
「ママと一緒にできる対策を考えてみようか」

4. 必要に応じて介入

度重なる忘れ物には、一時的に保護者が介入します。

「今週は毎日一緒に準備しよう。来週からまた自分でやってみようね」
「大事なものは前の晩にランドセルの前に置いておくのはどうかな」

発達障害の可能性を考慮した対応

ADHDや自閉症スペクトラムの特性がある場合、一般的な声かけでは効果が薄いことがあります。以下のような特別な配慮が必要になる場合があります。

1. 感覚過敏への配慮

「給食袋の布の感触が苦手でカバンに入れるのを忘れてしまう」
→ 素材を変える、ハンガーにかけたまま持っていけるようにする

2. ワーキングメモリの弱さへの対応

「口頭での指示が記憶に残りにくい」
→ 視覚的なサポート（写真や絵カード）を多用する

3. 実行機能の困難への対策

「優先順位をつけて準備するのが難しい」
→ ステップバイステップのチェックリストを作成

「片付けが苦手で必要なものがすぐに見つからない」
→ カバンの中を仕切りで区切り、定位置管理する

気になる場合は、学校の担任やスクールカウンセラーに相談するのも一つの方法です。

長期目線で見た忘れ物克服のプロセス

忘れ物を完全になくすことが目的ではなく、少しずつ自己管理能力を高めていくことが大切です。

1. 保護者主導期（低学年）

・保護者が中心となって準備
・一緒に確認する習慣をつける
・簡単な責任（ハンカチやティッシュなど）から任せる

2. 共同作業期（中学年）

・子どもが主体で準備
・保護者は確認のみ行う
・忘れた時の責任も体験させる

3. 自主管理期（高学年）

・子どもが完全に自己管理
・保護者は必要に応じてサポート
・自己評価させる（「今週の準備どうだった？」）

便利なツールとアプリの活用

1. スマホアプリ

【おすすめアプリ例】
・忘れ物チェッカー（チェックリスト型）
・TimeTree（家族共有カレンダー）
・Google Keep（共有メモ）

「このアプリで明日の持ち物を確認してみよう」
「習い事の持ち物はカレンダーに写真で登録しておこう」

2. スマートスピーカー活用

「OK Google、明日の7時に『水筒を持っていく』とリマインダーを設定して」
「Alexa、毎晩8時に『明日の準備』とアナウンスして」

3. IoTグッズの利用

・Bluetoothタグ（カバンに付けてスマホと連動）
・スマートリマインダー付きボード
・LED搭載のフック（点滅でお知らせ）

6月に特に注意したい忘れ物ポイント

1. 雨具関連

・突然の雨に備えた折り畳み傘
・レインコートや長靴
・濡れたものを入れるビニール袋

「6月は天気が変わりやすいから、毎日折り畳み傘をカバンに入れよう」
「長靴が必要な日は前の晩に玄関に出すようにしよう」

2. 体育関係

・暑さ対策の替えシャツ
・汗拭きタオル
・水筒（大きめのもの）

「体育の後は着替えるから、替えシャツを多めに持たせよう」
「汗をかくから、タオルを2枚入れておこうね」

3. 健康管理

・虫除けスプレー
・汗疹対策のパウダー
・熱中症対策の冷却シート

「校庭で虫に刺されないように、虫除けをカバンに入れよう」
「暑い日は冷却シートを持っていくと気持ちいいよ」

保護者が注意すべきNG行動

1. 過干渉

「全部親が準備してしまうと、子どもの自立を妨げます」

NG例：
・子どもに確認せずに全部準備する
・忘れ物を学校に届けることが常態化

2. 過度な叱責

「忘れ物をしたことで自尊心を傷つけないように」

NG例：
「また忘れたの？だらしない子ね」
「どうしてこんな簡単なこともできないの？」

3. 一貫性のない対応

「その時の気分で対応を変えると、子どもは混乱します」

NG例：
・昨日は許した忘れ物を今日は激しく叱る
・兄弟で異なる基準を適用する

4. 他者との比較

「比較は子どものやる気を削ぎます」

NG例：
「お兄さんは忘れ物なんてしなかったよ」
「○○ちゃんはいつもきちんとしているのに」

学校との連携方法

1. 連絡帳の活用

「忘れ物が多い時期なので、特に注意して見ていますと伝える」
「家庭での対策を共有し、学校でも声をかけてもらう」

2. 担任との情報共有

「どんなものをよく忘れるか具体的に伝える」
「授業で使うものは前日までに連絡してもらえないか相談」

3. クラス全体への働きかけ

「忘れ物防止のクラス目標を立ててもらう」
「みんなで確認し合う時間を設けてもらう」

子どもの性格タイプ別アプローチ

1. せっかちタイプ

「早く終わらせたいがあまりに確認を怠る」
→ タイマーを使って丁寧に確認する時間を確保

「3分間確認タイムを設けよう。急がなくていいよ」

2. のんびりタイプ

「準備に時間がかかり、途中で集中が切れる」
→ 小分けにして少しずつ準備

「まずは教科書だけ、次はノートと分けて準備しよう」

3. 完璧主義タイプ

「細部にこだわりすぎて時間が足りなくなる」
→ 優先順位をつける練習

「絶対必要なものから先に入れよう。後で追加できるものはあとまわしでいいよ」

4. 不安がりタイプ

「何度も確認しないと安心できない」
→ 確認回数を決める

「3回チェックしたらOKだよ。大丈夫、きっと全部そろってるから」

夏休み前の6月にやっておきたい習慣作り

6月は夏休み前の最後の習慣作りのチャンスです。この時期に身につけた準備習慣は、2学期以降にも活かせます。

1. 自己評価シートの導入

「今週の忘れ物は何回あったかな？」
「自分で準備できたことは何かな？」

2. 夏休みの自由研究に向けた準備

「自由研究のテーマを考えるために、どんな本が必要かな？」
「観察するものがあるなら、準備はいつから始めようか」

3. 1学期の振り返り

「4月から今までで、一番忘れ物が少なかったのはいつかな？」
「それはどうしてだと思う？」

よくある質問Q&A

Q: 何度言っても忘れ物が治りません。どうすればいいですか？
A: 声かけの方法を変えてみましょう。文字や絵での視覚的サポート、スマホアプリの活用など、子どもに合った方法を探すことが大切です。また、小さな成功体験を積み重ね、「できた！」という自信をつけさせることも効果的です。

Q: 忘れ物をした時、学校に届けるべきですか？
A: 基本的には子どもに責任を取らせる方が成長につながります。ただし、授業に大きく支障が出るもの（体育着や教材など）や、健康に関わるもの（水筒、薬など）は状況に応じて届ける判断をします。その際も、「今回は特別だよ」と伝え、次からは忘れないようにどうするかを話し合いましょう。

Q: お小遣いで忘れ物防止グッズを買わせるのは効果的ですか？
A: 自分で選んだツールは愛着がわき、大切に使う傾向があります。ただし、高額なものではなく、シンプルなチェックリストやカラーボックスなど、手軽に試せるものから始めるのがおすすめです。効果があれば、少しずつグレードアップしていきましょう。

Q: 兄弟で忘れ物の頻度が大きく違います。比較しないようにするには？
A: それぞれの成長ペースがあることを理解し、その子に合った目標を設定しましょう。例えば、上の子には「今月は忘れ物ゼロを目指そう」、下の子には「忘れ物を2回以内に減らそう」など、個別の目標を立てるのが効果的です。

Q: ADHDの傾向がある場合、特別な対策は必要ですか？
A: 視覚的なサポート（色分け、写真入りチェックリスト）や、準備する場所を限定する（カバンの中を仕切りで区切る）などの工夫が有効です。また、一度に多くの指示を出すのではなく、一つずつクリアしていくステップバイステップのアプローチが適しています。気になる場合は専門家に相談するのも一つの方法です。

まとめ：6月の声かけで1年間の忘れ物が減る

忘れ物が多い6月を乗り切るための声かけと家庭でのサポート方法をご紹介しました。大切なのは、子どもの脳の発達段階を理解し、適切なサポートをすることです。

・具体的で行動に結びつく声かけをする
・子どもの成長段階に合わせた責任を与える
・忘れ物をした時は、責めるのではなく解決策を一緒に考える
・家庭でのシステム作りと習慣化が鍵
・長期的な視点で自己管理能力を育む

6月に身につけた準備習慣は、夏休みを経て2学期以降にも活かせます。焦らず、少しずつ、子どもと一緒に忘れ物克服への道を歩んでいきましょう。

最後に、忘れ物は子どもの成長過程の一部です。完璧を求めすぎず、「昨日より今日、少しずつ」という気持ちで、温かく見守ってあげてください。適切な声かけとサポートがあれば、子どもは必ず自立した準備ができるようになります。

府中市の教育複合施設 CloverHill のご紹介

CloverHill は、東京都府中市にある幼児から小学生までを対象とした多機能な学びの場です。府中市内で最多の子ども向け習い事を提供し、ピアノレッスン、英語、プログラミング、そろばんなど、子どもたちの好奇心を引き出し、創造力を育む多彩なカリキュラムを展開しています。

また、民間学童保育や放課後プログラムも充実しており、学びと遊びのバランスを大切にした環境の中で、子どもたちの健やかな成長をサポート。さらに、認可外保育園として未就学児向けの安心・安全な保育サービスを提供し、共働き家庭の子育てを支援しています。