2025年11月 全国統一小学生テスト(小2)徹底分析:実際の問題から見える「真の学力」とは|府中市の教育複合施設CloverHill

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はじめに:2年生で問われる「思考力の飛躍」

お子様の全国統一小学生テスト受験、誠にお疲れ様でした。2025年11月3日に実施された2年生のテストは、1年生とは次元の異なる「思考の深さ」を要求する、極めて挑戦的な内容でした。

実際の問題用紙を詳細に分析した結果、このテストは単なる計算力や知識量の測定ではなく、**「空間認識力」「論理的推論力」「深い読解力」**という、中学受験さらにはその先の学びにつながる本質的な能力を測定していることが明確になりました。

本記事では、実際の問題一つひとつを丁寧に分析し、お子様の結果から何が読み取れるのか、そして今後どのような学習が必要なのかを、具体的にお伝えします。


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東京都府中市府中市立府中第二小学校となり
教育複合施設Clover Hill
民間の学童保育・認可外保育園・20種以上の習い事

第1章:算数編 - 2年生で求められる「3次元思考」への挑戦

1-1. テスト全体の構成:試験時間30分/150点満点の意味

2年生の算数は試験時間30分で150点満点という配点です。問題数に対して時間が限られており、「速く正確に処理する力」と「じっくり考える力」の両方が求められる構成になっています。

問題は大きく分けて:

  • 基礎計算問題(約30点)
  • 図形・空間認識問題(約60点)
  • 文章題・応用問題(約60点)

この配点から分かるのは、基礎計算は「できて当たり前」の土台であり、本当の得点差は図形問題と応用問題で生まれるということです。

1-2. 基礎計算問題:2年生で押さえるべき「数の感覚」

問1:基本的な四則計算

問題用紙に記載されていた計算問題:

  • 6 + 8 =
  • 17 - 9 =
  • 62 + 47 =
  • 82 - 26 =
  • 156 + 44 =

これらは2年生の11月時点で確実に習得しておくべき計算です。しかし、単に答えが合っていればよいわけではありません。

重要なのは:

  • 繰り上がり・繰り下がりの処理が自動化されているか
  • 暗算でスピーディーに解けるか
  • ミスなく正確に計算できるか

ここでつまずく場合、それは「練習不足」というより、位取りの概念や10のまとまりの理解が不十分である可能性があります。

問題の本質:掛け算の導入

  • 2 × 3 =
  • 5 × 8 =

2年生の11月は、ちょうど掛け算の九九を習得する時期です。この問題で測られているのは:

  • 九九を暗記しているか(知識)
  • 「2が3つ分」という掛け算の意味を理解しているか(概念)

九九を機械的に暗唱できても、「5 × 8」を「5が8個分」とイメージできない子どもは、今後の算数でつまずく可能性が高いのです。

1-3. 最重要分析:立体図形の回転・組み立て問題(りょうくん問題)

この問題こそ、2年生のテストで最も重要かつ最も難易度が高い部分です。

問題の構造

りょうくんが白と黒の積み木を使って立体を作り、それを回転させたり、別の角度から見たときにどう見えるかを答える問題が複数出題されています。

問3:4個の積み木で形を作る

  • 白と黒の積み木を使って特定の形を作る
  • それを1回転させて、正面から見たときの形を選ぶ
  • 選択肢:ア、イ、ウ、エの4つから選ぶ

問4:3つの積み木を使った形を2段階で回転

  • 最初の形から1回転させる
  • さらにもう1回転させる
  • 各段階でどう見えるかを追跡する

この問題が測る「真の学力」

この問題を解くためには:

  1. 空間認識能力:頭の中で立体を回転させるイメージング力
  2. 多段階思考:「最初の形 → 1回転後 → 2回転後」と段階を追って考える力
  3. 視点の転換:「正面から」「横から」など、見る角度を変えて考える力
  4. 注意の持続:複数の回転を正確に追跡し続ける集中力

これらは、2年生の算数としては極めて高度な能力です。実は、この種の問題は:

  • 中学受験の図形問題の基礎
  • 理科の光の反射や天体運動の理解
  • 将来の空間幾何学の土台

となる、非常に重要な能力なのです。

つまずきの典型パターンと対策

パターン1:最初の形が認識できない → 対策:実際の積み木やブロックで同じ形を作る経験を積む

パターン2:1回転はできるが、2回転目で混乱する → 対策:実物を使って回転させ、各段階で「今どう見える?」と確認する

パターン3:時間が足りずに諦めた → 対策:まず正確さを重視し、慣れてきたらスピードを上げる

1-4. 白と黒の積み木の配置問題(問5)

白と黒の積み木が組み合わさった立体について、「6個の積み木をはりつけたとき、黒の積み木は何個あるか」「9個の積み木をはりつけたとき、白と黒はそれぞれ何個か」という問題が出題されています。

この問題の難しさ

  • 見えている部分と見えていない部分を推測する必要がある
  • 「はりつける」という操作の意味を正確に理解する必要がある
  • 空間的な配置を頭の中で構築する必要がある

この問題ができる子どもは:

  • 隠れた部分を論理的に推測できる(見えないものを考える力)
  • 規則性を見抜ける(白黒の配置パターンの理解)
  • 仮説を立てて検証できる(「もしこうなら、こうなるはず」という思考)

これは単なる算数ではなく、科学的思考の訓練そのものです。

1-5. 数の規則性・パターン認識問題

テープの目盛り問題(問3)

「2ます分の大きさになるまでおなることを、2回くりかえしました。このとき、▲のところでかさなっている数をすべてたすと、合計はいくつになりますか」

この問題は:

  • 倍々に増えるという規則性の理解
  • 複数の情報を統合する力
  • 重なりを正確に追跡する注意力

を同時に測っています。

まんじゅうを等分する問題(問6-1)

「テープの長い16このまず紙をひいて、同じ大きさの16このまず紙に分け、おもてにだけ1~16の数を左からじゅんばんにかきました」

この問題の本質は:

  • 「等分」の概念理解
  • 連続する操作の追跡
  • 「表」「裏」という対応関係の理解

です。2年生にとっては、かなり抽象度の高い問題です。

1-6. 文章題:日常の事象を数式化する力

時計の問題(問2-1)

「けさ、けいたくんがおきたときに時計を見ると、右の時こくをさしていました。いつもより30分早かったので、お母さんにはおこられました。」

この問題では:

  • 時計の読み方
  • 「30分早い」「30分遅い」の意味理解
  • 逆算の思考

が必要です。時刻の問題は、日常生活と直結した実践的な問題です。

水の容量の問題(問2-2)

「りかちゃんは、1しますをつかって、かっぽのなべに、石のりょうの水をいれました。」

容量の単位(リットル、デシリットル)の理解と、量の加減算ができるかが問われています。

並び方・順序の問題(問4)

「しろうくんはおり紙を13まい、かけるくんはおり紙を3まいもっています。2人がもっているおり紙を同じまい数にするには、しろうくんはかけるくんに何まいあげればよいですか。」

この問題は:

  • 差の概念(13 - 3 = 10)
  • 「同じにする」という目標設定
  • 「半分ずつ」という発想(10 ÷ 2 = 5)

という、複数のステップを経る必要があります。

「19人の子どもがたてれつにならんでいます。すずちゃんは前から9番目です。後ろから数えると、何番目ですか。」

これは、全体の数から位置を逆算する問題で、「前から○番目」と「後ろから○番目」の関係性を理解しているかが問われます。

買い物・お金の問題(問4-3, 4-4)

「くみちゃんはスーパーボールが4こ入っているふくろを5ふくろ買ってきました。そこから、ともだちに2こあげ、のこりぜんぶをお兄ちゃんと弟とくみちゃんの3人で同じ数ずつ分けると、1人何こもらえますか。」

この問題の思考プロセス:

  1. 最初の総数を求める(4 × 5 = 20)
  2. あげた分を引く(20 - 2 = 18)
  3. 3人で分ける(18 ÷ 3 = 6)

3段階の計算を順序立てて行う必要があり、文章を正確に読み取る読解力も不可欠です。

「あゆむくん、えいたくん、つばさくん、ひろあきくんでかけっこをしました。あゆむくんはえいたくんより先にゴールし、ひろあきくんよりはやかった子は2人でした。また、つばさくんは1位でも4位でもありませんでした。このとき、4人がゴールしたじゅん番を、1位の人からじゅんに名前で答えましょう。」

これは完全な論理パズルです。複数の条件を整理し、消去法や推論を使って答えを導く必要があります。

1-7. 長さの測定問題(問3)

クリップとけしゴムとクレヨンの長さを定規で測り、比較する問題です。

この問題で測られているのは:

  • 定規の目盛りを正確に読む力
  • ミリメートルとセンチメートルの単位理解
  • 測定値を比較・計算する力

実践的な測定技能は、理科の実験や日常生活で必須のスキルです。


第2章:国語編 - 「心情理解」から「主題把握」への深化

2-1. テスト構成:150点満点が示す「読解最重視」

国語も試験時間30分で150点満点です。配点の大部分は物語文の読解に割かれており、2年生でも**「登場人物の心情を深く読み取る力」**が最重視されています。

2-2. 基礎力確認:漢字の読み書きと語彙

問1:漢字の読み

実際に出題された漢字:

  • 「かさ上む」(傘)
  • 「草よ」(草)→ 「くさ」のような訓読みではなく「そう」のような音読み
  • 「のぼ山」(山)
  • 「百石」(石)
  • 「目白」(目)

これらは2年生で習う漢字の読みですが、注意すべきは:

  • 音読みと訓読みの使い分け
  • 熟語の中での読み方
  • 助数詞との組み合わせ(「一石」「百石」など)

問2:漢字の書き

「エライ」「イカ」「ウツクシ」などを適切な漢字で書く問題。

ここでの注意点:

  • 単なる暗記ではなく、文脈に合った漢字を選ぶ判断力
  • 書き順と字形の正確さ
  • 同音異義語の理解(「石」と「意思」など)

2-3. 物語文の読解:天野美知代『かげまる』より

今回出題された物語は、食目新聞社刊行の『かげまる』という作品からの抜粋です。

物語のあらすじ(問題文から推測)

主人公の「コロ」(おそらく動物か、擬人化されたキャラクター)が登場し、様々な出来事を通じて成長や気持ちの変化を経験する物語のようです。

問題文には以下のような描写があります:

  • 「だって、らくちんなほうがいいんだから」
  • 「ぜったい、それをかけまぜのがらくしたから」
  • 「コロごはん、コロ、たべもじゃない」
  • 「くじらのきもちがぐぐぐぐっとおもかった」

2-4. 最重要分析:登場人物の心情を読み取る問題

問9:コロの気持ちの変化を読み取る

物語の中で、コロの気持ちが変化していく場面があります。「このときのコロの気持ちにあてはまるもの」を選ぶ問題では、表面的な出来事だけでなく、なぜそう思ったのか、その背景にある感情まで読み取る必要があります。

問10:「国語のもんだいはこれでおわりです」の前の重要設問

最後の設問として、3人の子ども(はなこさん、けんとくん、あいさん)がそれぞれ物語の感想を述べています:

  • はなこさん:「このお話でどう教えようと、じゅうさいにおもったのかな」
  • けんとくん:「はじめはだけのことをかんがえていたけど、らだんだんおもいやることができよになったと思うよ」
  • あいさん:「そうだね。そんなふうにおもったけがせんせいにほめられたことがおもかった」

そして問題は:「つぎの三人のうち、このお話がつたえたいことはこれで、①、②、③のもんいいいこたえしましょう」

この問題こそが、国語テストの本質を問うています。

2-5. 「主題を読み取る」とはどういうことか

3人の感想の違いを分析すると:

あいさん(タイプ1)

  • 「せんせいにほめられたことがおもかった」
  • →出来事の一部に注目しているが、物語全体のメッセージは捉えていない

はなこさん(タイプ2)

  • 「じゅうさいにおもった」
  • →登場人物の感情には気づいているが、やや表面的

けんとくん(タイプ3)

  • 「はじめはだけのことをかんがえていたけど、らだんだんおもいやることができよになった」
  • 登場人物の成長心の変化という、物語の本質的なテーマを捉えている

正解はおそらくけんとくんです。

なぜこの問題が重要なのか

この問題は、お子様が:

  • 物語を「出来事の羅列」として読んでいるか
  • それとも「登場人物の心の変化の物語」として読んでいるか

を明確に区別します。

できる子の読み方: 「コロは最初は自分のことばかり考えていたけど、色んな経験を通じて、相手のことを思いやれるようになったんだね」

苦手な子の読み方: 「コロが先生にほめられて嬉しかったって話」

この違いは、今後の国語力、さらには人間関係を理解する力に直結します。

2-6. 文章の構造を理解する問題(問3〜8)

物語の各場面で:

  • 「にあてはまる言の中から、いちばんきさんのをえらんで、記号で答えましょう」
  • 「このときのコロの気持ちにあてはまるもの」

など、適切な言葉を選ぶ問題が複数出題されています。

これらは一見簡単に見えますが、実は:

  • 文脈から適切な言葉を推測する力
  • 登場人物の心情に合った表現を選ぶ力
  • 物語の流れを理解している力

を総合的に測っています。


第3章:テスト結果から見える「わが子の学力特性」

3-1. 算数のパターン別分析

パターンA:基礎計算は完璧、図形問題で苦戦

特徴:

  • 足し算、引き算、掛け算などの計算問題は全問正解
  • しかし立体図形の回転問題や、空間認識問題で得点できない

考えられる原因:

  • 「手順通りに解く」訓練は十分
  • しかし「頭の中でイメージする」経験が不足
  • 実物を操作する体験が少ない

対策の方向性:

  • 実際のブロックや積み木で遊ぶ時間を増やす
  • レゴやマインクラフトなど、立体を作るゲームを推奨
  • 「これを回したらどう見える?」と日常的に問いかける
  • 折り紙や工作で、平面を立体に変換する体験を積む

パターンB:図形問題はできるが、文章題で失点

特徴:

  • 立体図形や空間認識問題は正解できる
  • しかし文章題、特に複数ステップの問題でミスが多い

考えられる原因:

  • 視覚的・直感的な理解は得意
  • しかし言語的な情報処理や、順序立てた思考が苦手
  • 問題文を最後まで読まずに解き始める癖がある

対策の方向性:

  • 問題文を音読させ、「何を問われているか」を確認する習慣
  • 「まず何を計算する?次は?」と手順を言語化させる
  • 図や表を使って情報を整理する練習
  • 日常会話で「順番に説明して」と促す

パターンC:時間が足りず、後半が白紙

特徴:

  • 解いた問題の正答率は高い
  • しかし後半の問題に手が回っていない

考えられる原因:

  • 一つひとつ丁寧に解きすぎている
  • 難しい問題で時間を使いすぎている
  • 時間配分の感覚がまだ育っていない

対策の方向性:

  • 「分からない問題は飛ばす」戦略を教える
  • タイマーを使って「この問題は3分で」と時間感覚を養う
  • 易しい問題を確実に取る「戦略的思考」を育てる
  • 模擬テストで時間配分の練習をする

3-2. 国語のパターン別分析

パターンD:漢字は完璧、読解で苦戦

特徴:

  • 漢字の読み書きはほぼ満点
  • しかし物語の心情理解や主題把握で失点

考えられる原因:

  • 知識の暗記は得意
  • しかし「行間を読む」「心情を想像する」能力がまだ発達途上
  • 事実と感情の区別が難しい

対策の方向性:

  • 絵本や物語を読んだ後、必ず「なぜこうしたの?」と問いかける
  • 登場人物の気持ちを想像するゲーム(「今、どんな顔してると思う?」)
  • 親自身が感想を語って見せる(モデリング)
  • アニメや映画を見た後、登場人物の気持ちについて話し合う

パターンE:読解はできるが、漢字で失点

特徴:

  • 物語の内容理解や心情読解は正解できる
  • しかし漢字の読み書きでミスが多い

考えられる原因:

  • 感覚的・直感的な理解は得意
  • しかし細かい知識の記憶や、正確な書き取りが苦手
  • 視覚的記憶が弱い、または練習量が不足

対策の方向性:

  • 漢字は「書く回数」より「思い出す回数」を増やす
  • クイズ形式で楽しく覚える
  • 日常生活で目にする漢字を一緒に読む
  • 「間違えやすい漢字ノート」を作る

パターンF:主題把握の問題だけ間違える

特徴:

  • 事実問題(「誰が何をした」)は正解できる
  • しかし「この物語が伝えたいこと」などの問題で間違える

考えられる原因:

  • 表面的な読み方に留まっている
  • 「物語全体を俯瞰する」視点がまだ育っていない
  • 「作者の意図」を考える経験が不足

対策の方向性:

  • 読書後に「この話で一番大事なことは何だった?」と必ず聞く
  • 「主人公は何を学んだかな?」と成長に注目させる
  • 親子で感想を言い合い、違う視点があることを示す
  • 「なぜこの話を書いたと思う?」と作者の意図を考えさせる

第4章:今日から始める「本質的学力」の育て方

4-1. 算数:「実物体験」が空間認識力を育てる

具体的実践法1:ブロック遊びの革命

ただ自由に遊ぶだけでなく、「観察と予測」を組み込んだ遊び方を提案します:

「回転ゲーム」

  1. 子どもがブロックで形を作る
  2. 「これを右に回したら、どう見えると思う?」と予測させる
  3. 実際に回して確認する
  4. 予測と結果の違いを話し合う

この繰り返しで、頭の中で立体を回転させる能力が育ちます。

「積み木コピー」

  1. 親が積み木で形を作る
  2. 子どもは別の角度から見て、同じものを作る
  3. 「見えない部分」を推測する力が育つ

具体的実践法2:日常生活での「測定習慣」

  • 料理で「100mlって、このカップのどこまで?」と一緒に測る
  • 「お父さんの靴と、あなたの靴、長さの差は何cm?」と測定
  • 「このペットボトル、何L?何mL?」と単位の変換
  • 時計を見て「あと30分で出かけるよ。何時になったら出発?」

実生活での体験が、抽象的な数の理解を深めます。

具体的実践法3:文章題は「図」で整理

複雑な文章題に出会ったら:

ステップ1:情報を図にする

しろうくん: ■■■■■■■■■■■■■ (13枚)
かけるくん: ■■■ (3枚)

ステップ2:目標を確認 「同じ枚数にする」→ 線で結ぶ

ステップ3:方法を考える 「差は10枚」→「半分の5枚ずつあげる」

このプロセスを親子で一緒にやることで、情報整理の型が身につきます。

4-2. 国語:「対話」が読解力の土台を作る

具体的実践法1:「感情語彙」を増やす会話

日常会話で感情を豊かに表現する習慣:

  • 「今日、どんな気持ちだった?」→「楽しかった」だけで終わらせない
  • 「どんな"楽しい"?ワクワク?ホッとした?嬉しい?」と具体化
  • 親自身が感情を豊かに表現する姿を見せる

感情語彙が豊富な子どもは、物語の心情理解も深くなります。

具体的実践法2:「なぜなぜ対話」で深く考える

読み聞かせの後:

悪い例: 親:「面白かった?」 子:「うん」 親:「良かったね」(終了)

良い例: 親:「コロはなんで最初、一人で遊んでたのかな?」 子:「友達がいなかったから?」 親:「そうかもね。でも、なんで友達ができなかったんだろう?」 子:「自分のことばっかり考えてたから?」 親:「そうだね!じゃあ、最後はどう変わった?」

この「なぜ?」の連鎖が、深い読解力を育てます。

具体的実践法3:「主題探しゲーム」

本を読んだ後、家族で「この話で一番大事なことは何?」を話し合うゲーム:

  • 正解は一つではないことを伝える
  • 「お母さんは○○だと思う。なぜなら〜」と理由も言う
  • 子どもの意見を「なるほど、その見方もあるね」と受け止める
  • 色々な視点があることを楽しむ

このゲームを続けると、自然に「主題を考える習慣」が身につきます。

4-3. 両教科共通:「失敗」を学びに変える文化

「間違いノート」の作り方

テストで間違えた問題を記録するノート:

【算数-11月テスト】
問題:りょうくんの立体回転問題
間違えた理由:1回目の回転はできたけど、2回目で混乱した
次はどうする:実際の積み木で練習する。ゆっくり一つずつ確認する

このノートは「恥ずかしい記録」ではなく、「成長の記録」です。

「できたこと日記」で自己肯定感を守る

テストの結果に関わらず、毎日:

  • 「今日できるようになったこと」を一つ言う
  • 「今日頑張ったこと」を認める
  • 小さな成長を祝福する

点数が低くても、「挑戦したこと」自体を褒めることで、学習意欲が保たれます。


第5章:2年生のテストが示す「教育の未来」

5-1. 「詰め込み教育」では太刀打ちできない時代

今回のテストを見て明らかなのは、計算ドリルを何百問解いても、立体図形の問題は解けないということです。

必要なのは:

  • 実物を触る体験
  • 試行錯誤する時間
  • 「なぜ?」と考える習慣
  • 失敗から学ぶ経験

つまり、「体験」と「対話」こそが、本物の学力を育てるのです。

5.2. 空間認識力は「将来の武器」になる

立体図形の問題ができる子どもは:

  • 理系科目(数学、物理、化学)に強くなる
  • 建築、デザイン、エンジニアリングなどの職業で活躍できる
  • 3次元CADやプログラミングの理解が早い
  • 地図を読む、空間を把握するなど、実生活でも有利

2年生の今、空間認識力の土台を作ることは、将来への最高の投資です。

5-3. 「心情理解力」は人間関係の基礎

物語の登場人物の気持ちを読み取れる子どもは:

  • 友達の気持ちを理解できる(共感力)
  • 相手の立場に立って考えられる(他者視点)
  • コミュニケーション能力が高い
  • リーダーシップを発揮できる

国語の読解力は、単なる「テストの点数」を超えて、人として生きる力そのものなのです。


第6章:よくある質問(Q&A)

Q1. 2年生でこの難易度は適切ですか?

A: 公立小学校の学習範囲より明らかに高度です。しかし、これは「2年生全員ができなければならない」内容ではなく、「思考力の高い子どもを見つける」ためのテストです。

重要なのは、点数に一喜一憂することではなく、お子様の得意・不得意を知り、適切なサポートをすることです。

Q2. 立体図形が全くできませんでした。才能がないのでしょうか?

A: 絶対にそうではありません。空間認識力は「生まれつきの才能」ではなく、「体験の量」で育つ能力です。

実際のブロックや積み木で遊ぶ経験が少ない子どもは、最初は苦手で当然です。今から始めれば、必ず伸びます。

Q3. 文章題が苦手です。読解力の問題でしょうか?

A: その通りです。算数の文章題は、実は**「算数力50% + 読解力50%」**です。

特に複数ステップの文章題は、文章を正確に読み取り、情報を整理し、順序立てて考える「国語力」が不可欠です。算数と国語は別々ではなく、つながっているのです。

Q4. 主題を読み取る問題だけ間違えます。どう教えればいいですか?

A: 「教える」のではなく、**「一緒に考える」**姿勢が重要です。

本を読んだ後に「お母さんは、この話は○○を伝えたいと思うんだけど、あなたはどう思う?」と対話を重ねることで、自然に「主題を考える習慣」が身につきます。

Q5. 時間内に終わらないのですが、どうすればいいですか?

A: 2年生で30分で全問解くのは、かなりハイペースです。

まずは「正確に解く」ことを優先し、スピードは後からついてくると考えましょう。ただし、「分からない問題は飛ばす」「易しい問題から解く」という戦略は、早めに教えてあげるとよいでしょう。

Q6. 中学受験を考えていますが、このテストの結果は関係ありますか?

A: 2年生の11月時点での結果は、中学受験の成否を決定しません

ただし、このテストで測られている「空間認識力」「論理的思考力」「読解力」は、中学受験でも最重要の能力です。今から これらの土台を育てることが、将来の受験に確実につながります。


おわりに:2年生の今が、学力の「分岐点」

全国統一小学生テストの2年生問題を詳細に分析して分かったことは、このテストが**「暗記型学習」と「思考型学習」の分岐点**に位置しているということです。

1年生までは、どちらのアプローチでもある程度点数が取れました。しかし2年生から は、「考える力」がない子どもは、明確につまずき始めます

立体図形の回転を頭の中でイメージできるか。 複数ステップの文章題を順序立てて解けるか。 物語の主題を自分の言葉で語れるか。

これらは、単なる「2年生の学習内容」ではありません。これからの人生で、学び続け、成長し続けるための**「学力の土台」**そのものなのです。

テストの点数より大切なこと

お子様がこのテストで何点取ったかは、実はそれほど重要ではありません。

本当に重要なのは:

  • お子様が「考えること」を楽しんでいるか
  • 失敗を恐れずに挑戦できているか
  • 「分からない」を「知りたい」に変えられるか
  • 親子で学びの対話ができているか

です。

今日から始める「一つのこと」

この記事を読んで、「あれもこれもやらなきゃ」と焦る必要はありません。

まず、今日から一つだけ始めてください:

  • 夕食後に10分、本を読んで「どう思った?」と聞く
  • 週末にブロックで一緒に遊ぶ
  • 買い物で「合計いくら?」と一緒に考える
  • 寝る前に「今日できるようになったこと」を話す

たった一つの習慣が、1年後、5年後のお子様の学力を大きく変えます。

最後に:お子様の可能性を信じて

2年生の脳は、まだまだ発達の途上です。今できないことが、半年後、1年後にはできるようになります。

大切なのは、今の結果で判断しないこと。 そして、お子様の可能性を信じ続けること

全国統一小学生テストは、年に2回のイベントに過ぎません。しかし、家庭での毎日の対話と体験は、365日続く教育です。

お子様の輝かしい未来を、心から応援しています。


付録:家庭でできる学習アクティビティ集

算数:空間認識力を育てる遊び

1. 影当てゲーム

  • 積み木やブロックで形を作る
  • 懐中電灯で照らして影を作る
  • 「この影はどの形?」と当てる
  • 光の角度と影の形の関係を学ぶ

2. ミラーチャレンジ

  • 鏡の前に積み木を置く
  • 鏡に映った形を見て、実物を作る
  • 左右反転の感覚が育つ

3. 設計図ゲーム

  • 親が積み木で形を作る
  • 子どもは見ずに、親の説明だけで同じものを作る
  • 言語化能力と空間認識力が同時に育つ

国語:読解力を育てる習慣

1. 物語リレー

  • 家族で順番に物語を作る
  • 「次どうなると思う?」と展開を予想する
  • 想像力とストーリー構造の理解が育つ

2. 気持ちカード

  • 「うれしい」「かなしい」などのカードを作る
  • 絵本の場面ごとに「今どのカード?」と選ぶ
  • 感情の語彙と心情理解が深まる

3. インタビューごっこ

  • 本の登場人物になりきる
  • 親が「なぜそうしたんですか?」とインタビュー
  • 登場人物の視点に立つ訓練になる

両教科共通:思考力を育てる日常習慣

1. 「なぜだろう?」タイム

  • 夕食時に「今日の不思議」を発表
  • 「なんで空は青いの?」など何でもOK
  • 一緒に調べたり、考えたりする

2. 間違い探しの習慣

  • テストの間違いを「宝探し」として扱う
  • 「なぜ間違えたか」を一緒に分析
  • 失敗を成長の機会に変える

3. 目標設定ノート

  • 「今週できるようになりたいこと」を一つ決める
  • 週末に振り返る
  • 小さな成功体験を積み重ねる

この記事が、お子様の学びの旅路に、少しでもお役に立てれば幸いです。

府中市の教育複合施設 CloverHill のご紹介

CloverHill は、東京都府中市にある幼児から小学生までを対象とした多機能な学びの場です。府中市内で最多の子ども向け習い事を提供し、ピアノレッスン、英語、プログラミング、そろばんなど、子どもたちの好奇心を引き出し、創造力を育む多彩なカリキュラムを展開しています。

また、民間学童保育や放課後プログラムも充実しており、学びと遊びのバランスを大切にした環境の中で、子どもたちの健やかな成長をサポート。さらに、認可外保育園として未就学児向けの安心・安全な保育サービスを提供し、共働き家庭の子育てを支援しています。


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